山と渓谷 1000号

『山と渓谷 1000号記念号』にてイラストを描かせていただいております。

1000号、おめでとうございます!



良い山旅ができますように(運気アップの山へにて描きました)





昨年末に長野へ行きました。
帰路につく直前、そういえば蕎麦を食べてないな〜と歩いていたところ
目の前に現れたのが「山と渓谷」なる喫茶店の看板。
名前が同じだけでなく、ロゴも同じに見える、これは一体・・
店はビルの2階で、1階に出ていたメニューを見てみると
どうやら蕎麦推しのようだったので、ちょうどいいやと入ってみることに。

古き良き喫茶店。
店内には常連っぽいおじさん方と若いカップルと、素っ気ないおかみさんと。
この構成は山小屋のようかもしれない。無理やり山に結びつけたりしながら、蕎麦を食べ、
なぜこの店が「山と渓谷」なのかは、確かメニューの中に説明書きがあったのだけど、
「説明に書いてある通りです」と言われてしまうのは覚悟の上で尋ねてみました。

そうしたらおかみさん、今じゃ考えられないですよ・・と言いながら
昭和55年に復刻された、山と渓谷1,2,3号の入った箱を棚から取り出してきて、

山より渓谷好きのご主人が、店名に「山と渓谷」を使わせてほしい!と
りんご持参で長野から東京まで直談判に行き、
なにやらいきのいいのが来たぞ!と、
店名と、さらにはロゴをも使う許可を得たという、
説明書きにもあった、嘘のような本当の話を話してくれました。
熱い起業魂?とは言え、山と渓谷は愛されていたのだなぁと。

復刻版のページをめくると 川崎光吉 と直筆で書いてあって、
私はその名を調べることもしなかったのだけど
(もしかしたら調べたかもしれないし、説明書きにあったかもしれない)
この1000号の表紙に写る少年が
のちにこの嘘のような本当の話をつくることになることを、知ってしまったのでした。

旅先でであった山と渓谷。